ニュージーランドでは、毎年9月の最終日曜日から翌年4月の第1日曜日までの約6ヵ月間、デイライトセービング(夏時間)が導入されます。日本ではサマータイムという言い方で知られていることが多いと思いますが、ニュージーランドではサマータイムと言ってもあまりピンときてもらえません。Daylight saving で覚えましょう!
通常日本とニュージーランドの時差は3時間ですが、夏時間の間は4時間となります。ニュージーランドは世界で最も早く1日を迎える国の一つなので、日本が3、4時間遅れてニュージーランドを追いかけている形になります。例えば夏時間でニュージーランドが午後9時の時、日本は午後5時になります。
この記事では、混乱しがちなデイライトセービングの始まりと終わりのタイミングや歴史などをご紹介します。
デイライトセービング開始
2020年は最終日曜日である本日9月27日に、デイライトセービングがスタートしました。前述のとおり、毎年9月の最終日曜日に夏時間がはじまります。
開始時刻は真夜中の午前2時です。午前2時になると同時に時刻が1時間がすすみ、午前3時となります。つまり夏時間のスタート時は、睡眠時間が1時間削られることになります。毎年この日が眠くてツライ(笑
デイライトセービング終了
今回のデイライトセービングは、来年2021年の4月4日日曜日に終了します。こちらも前述のとおり、毎年4月の第一日曜日が終了のタイミングとなります。
午前3時をむかえるとともに1時間逆戻りして午前2時をもう一度むかえることになります。つまり夏時間の終わりのタイミングは、1時間睡眠時間を多く取れます。なんだかお得感があります。
デイライトセービングの歴史
デイライトセービングのはじまりには諸説ありますが、一説によると、ニュージーランド人がそのはじまりにかかわっているそうです。
イギリス生まれのニュージーランド人昆虫学者George Hudson が、現代のデイライトセービングのアイディアに貢献したとして知られています。
1985年にGeorgeはRoyal Society of New Zealandに2時間のタイムシフトを提案しました。その理由が、夏に仕事が終わった後に虫取りに出掛ける時に陽が長くなってほしいからというのだから、昆虫学者らしいというかニュージーランド人らしいというか。
当初このアイディアは混乱するし必要ないと鼻で笑われたものの、長年の月日を経てこのコンセプトは世界中の多くの国で採用されることになります。ニュージーランドでは1927年に正式に採用されました。
現代のデイライトセービングが確立されるまで何度か日付と時間の調整がなされており、2006年に議会の承認を経て、現在の【9月の最終日曜から4月の第一日曜まで】に落ち着きました。
デイライトセービングの良いところ
デイライトセービングがニュージーランドで1927年に導入された理由は、仕事の後のプライベートの活動時間にもっとデイライトを楽しめるように!ということでした。
その目的のとおり、夏時間の間は陽が長くなり、9時ごろまで空が薄明るくなります。そのため野外のアクティビティなどに多くの人が繰り出します。
私が特に感動したのは、登山の時間帯。
日本では登山は早朝6時ごろから動き始めることも普通で、泊まりの場合は午後3時にはすでに山小屋などに到着してゆっくりくつろぐというのが当たり前でした。対してニュージーランドでは日が長いので早朝に歩き始める必要もなく、日本では遭難したとみなされてもおかしくない午後6時ごろでも普通に人が歩いています。夏時間の6時ごろはまだまだ昼間のように明るいです。
夏時間の間は野外でのイベントごとも増え、たくさんのアクティビティを楽しむことができます。今年はコロナの流行で今までとはまた違った夏になりそうですが、安全な範囲でつかの間のサマータイムを楽しみたいと思います。