海外に長く住んでいると、英語がペラペラに話せて当たり前だと思っていませんか?
私も日本にいた頃はそう思っていました。むしろ長く住んでいるのに話せないとか恥ずかしwと、少し皮肉っぽく思っていました。
でも、実際に自分が海外に住んでみて、言語の習得はそんなに簡単なものじゃないということに気付かされました。
なぜ大人になってからの言語習得は難しいのか?
これが小学生くらいならまた全然違うのでしょうが、大人になってから言語を学ぶと、色々な面で壁にぶつかります。
まず、記憶力。スポンジのような吸収力をもつ子どもの頃と違って、記憶の定着が悪い。覚えるのに時間がかかるし、覚えても忘れやすくなっています。
次に、聴いて、模倣する力。私は言語を習得する上で「マネをすること」はとても重要な学習法だと思っています。
しかし大人になると、自分が今まで聞いたことのある範囲の音以外の音を聴くことが非常に難しくなってきます。
ちゃんと聴けていない音を声に出すことは不可能に近いのです。
だから、大人になってから英語を学んだ人の英語は、いくら流暢でもネイティブじゃないことが発音でわかります。
私の場合、フィリピンで英語留学をしていた時に、ショックを受けたことがありました。
リスニングで話されている単語を書き出すという単純なものなのですが、RとLの聴き分けがどうしてもできないのです。
先生はしっかり聞いて、というけれど、どれだけ集中して聞いても明確な違いが聴き分けられないのです。
いまだに私はRとLの聴き分けは微妙です。だからIELTSのアカデミックでリスニング8.5(9が満点)を取っても、リスニングはいまだに自信がないし職場でかかってきた電話の相手の名前を聞き取るのにもてこづっています。
最後に、恥ずかしさとの戦い。
日本は恥の文化です。
間違えることは恥ずかしいという環境で育っているため、間違いだらけの自分の英語を人様に披露することに大きな抵抗があります。
これが、ものすごいくせ者。
言語というのは、話さない限り上達しません。間違えを恐れて話さないままでいると、上達どころか退化してしまいます。
英語が『話せる』ようになるにはどうすれば良いのか?
知りたいのはこれだと思います。
私も、いまだにうまく発音できない単語だらけですし、伝えたい言葉が出てこないこともたくさんありますが、最近は知り合うネイティブの人から、どこから来たの?ではなく、ニュージーランド出身?と聞かれることが増えました。
ニュージーランドに来た当初は間違ってもそんなことは言われませんでした。見た目はどうみてもアジア人ですしね。
やはり英語がある程度話せるようになってきたからだと思います。
さて、この「英語が話せる」って、何なんでしょうか。
誰だって少しの知識があれば英語は話せます。ただ、「話せる」の程度は人によってかなり違います。
あなたがどこからを「話せる」と認識するかによって、話は変わってきます。
問題は、ほとんどの人が、「話せる」の理想を高く持ちすぎていると思うのです。
意識が高いのは良いことです。
でも、日本で日本語にまみれて育ってきた私達がネイティブのように「話せる」ようになるのは不可能だと思ったほうが良いです。
物理的に記憶力やマネする力が衰えてきている大人が「話せる」ようになるには、「恥ずかしさ」を取っ払うことが一番の近道です。
「話せる」の理想を少し下げて、恥ずかしさを取っ払えば、あとは積極的に英語を口に出していくだけ。
海外に住んでいるなら尚更、私達は英語を話すチャンスにいつも囲まれているのです。
こんなラッキーなことってありますか?
今いる環境に感謝して、ムダにすることなく、英語を話すチャンスを最大限に活かしましょう。
海外に住んでいるのに英語が話せなくて悩んでいる人へ
このページにたどり着いたということは、あなたは既に海外に住んでいて英語を話しているはず。
でも全然上達しない、うまく話せない、と悩んでいるならその悩んでいる時間がもったいない!
自分からたくさん話してみましょう。
どうしても自信がないなら独り言からスタートしても良いです。
慣れてきたら人に話しかけてみましょう。
ネイティブの友達がいないなら、街で店員さんに話しかけてみましょう。たくさん質問してみましょう。
その勇気がないなら、こっそりレアジョブ英会話でお家で英語を話しましょう。
英語を話すこと、英語で誰かと会話することに躊躇がなくなるまで続けてみましょう。
そうしたら気付いた時には、英語が話せなくて悩んでいたこと自体を忘れていることに気付くでしょう。
英語はあくまでも言語。生活のツールです。英語の先生になりたいというのならまた話は別ですが、そうでないなら完璧に話す必要は全くありません。
日本語を話す時だって、文法やら何やら実は間違いだらけです。でも誰もそんな細かいこといちいち気にしていません。
間違えなんて気にせず、海外で英語を話す機会に恵まれていることに感謝しつつ、積極的に英語を話していくことが、現状打破のきっかけになるのです。